カメラを買おうと思っているあなたへ。
少し、待ってください。
「そろそろちゃんとしたカメラが欲しいな」と思い始めたとき、多くの人が最初に考えることがあります。
「高いカメラを買えば、きれいな写真が撮れるはずだ」
気持ちはよくわかります。でも、正直に言わせてください。
それは、かなり大きな誤解です。
カメラは「道具」であって「魔法」ではない
私は約50年、星空の写真を撮り続けています。
機材にその時々に変わってきました。
デジタルになってからはCanon イオスキッスデジタル→40D→5DMarkⅡ→6D そして今はNikon ZfとSony α7S III(動画用)を使っています。
でも、長年撮り続けてきてわかることがあります。
カメラは、撮影者の意図を形にする道具です。
意図のないところに、いい写真は生まれません。
50万円のカメラを買っても、「とりあえずシャッターを押す」だけなら、スマホで撮った写真の方が、ずっとよく見えることがほとんどです。
これは、冗談でもなんでもありません。
スマホのカメラは、じつはすごい
最近のスマホカメラは、本当によくできています。
先日知り合いのプロカメラマンがGoogleピクセル10を使用して、「超望遠もはっきり写るし、カメラとしてかなりやばい」と話していました。
明るさを整え、ノイズを消し、色を最適化する。その処理が、コンマ何秒かのあいだに、自動で行われています。
つまり、スマホは「補正込みの完成品」を出力してくれる機械なのです。
一方、本格的なカメラは違います。RAWデータと呼ばれる、補正をしていない生のデータを記録します。そこから、自分で明るさを調整して、色を整えて、はじめて「写真」になる。
その作業を知らずにカメラを買うと、どうなるか。
「なんか思ってたより暗いし、スマホの方がきれいじゃないか」となるのです。
実際、そういう人を何人も見てきました。
「高いカメラ」が必要になる瞬間は、あとからやってくる
では、本格的なカメラはいつ必要になるのか。
「もっとこう撮りたい」という欲求が、スマホでは限界を感じたときです。
暗い場所でもっとクリアに撮りたい。背景をもっとぼかしたい。動きの速いものを止めて撮りたい。ちゃんと星空を写したい。
そういう「具体的な不満」が出てきたとき、はじめてカメラを選ぶ意味が生まれます。
逆に言えば、その不満がまだないなら、今のスマホで十分です。むしろスマホの方が、あなたの写真をきれいに仕上げてくれるはずです。
星の写真も撮れるようになってきた
そうは言っても星の写真はスマホでは無理でしょ?と思っているあなた、それすら撮影できるようになってきたのです。
機種によって違うのですが、iPhone、Googleピクセルなどではスマホを固定することにより長秒露出が可能になり、この写真のように天の川も写せるのです。拡大すると粗は見えるのでミラーレスカメラ並みではありませんが、SNSに出す分には十分です。
私はストアカで「星景写真講座」をやっていますが、「旅行先で星が撮れたらいいと思うんですがどんなカメラを買ったらいいですか?」と聞かれて、カメラは買わないでまずはスマホで撮りましょうと話をしています。
詳しくは「スマホで星空写真を撮る方法」をご覧ください。
まず、スマホで「撮る目」を育てよう
写真がうまくなるための近道があるとすれば、それは機材の更新ではありません。
何を撮るか。どこから撮るか。どんな光のときに撮るか。
スマホはその練習にとても向いています。いつでも持ち歩けて、すぐ撮れて、すぐ確認できる。光の方向を変えるだけで、同じ被写体がまったく違う顔を見せてくれることに気づき始めたとき、写真は一気に変わります。
高いカメラは、その「気づき」の先にあるものです。
順番を間違えないでほしいのです。
どんな写真を撮りたいのか、まずそこから考えてみよう
カメラを買う前に、一度だけ自分に問いかけてみてください。
「私は、どんな写真を撮りたいのだろう?」
漠然と「きれいな写真」と思っているなら、もう少し具体的にしてみましょう。
たとえば、こんな感じです。
旅先の風景を記録したい。子どもや孫の表情を残したい。料理やカフェの雰囲気をSNSに投稿したい。花や植物をじっくり撮りたい。夜景や星空に挑戦してみたい。
どうでしょう。この中のほとんどは、実はスマホで十分に撮れます。最近のスマホはポートレートモードも、夜景モードも、マクロ撮影も、驚くほどうまくこなしてくれます。
そしてもう一つ、大事な問いがあります。
「撮った写真で、何をしたいのか?」
SNSに投稿するだけなら、スマホの画質で何の問題もありません。むしろスマホの方が、投稿までの手間がずっと少ない。
でも、A3サイズ以上に印刷して部屋に飾りたい、写真集を作りたい、コンテストに応募したいとなると、話が変わってきます。そこではじめて、センサーサイズや解像度が意味を持ってきます。
撮りたい写真が「日常のきれいな瞬間」なら、スマホで始めてください。 撮りたい写真が「暗い場所・速い動き・大きな印刷」なら、カメラの出番です。 撮った写真を「SNSや思い出として残したい」なら、スマホで十分です。 撮った写真を「印刷・出版・展示したい」なら、カメラを検討してください。
自分がどこに当てはまるかがわかれば、「必要なもの」が自然と見えてきます。
高いカメラを買うのは、それからでも、全然遅くありません。



アメリカ旅行の際に気合い入れて高級コンデジを買って持って行ったけど、行きの飛行機で隣になった学生の最新iPhoneの方が使い勝手良くて凹んだ事を思い出しました😂
そんな事があってもなお、RICOH GRを一度所有して使ってみたい欲がずっと心の奥にくすぶってます📸
子どもが生まれてからミラーレスカメラ買いました
使いこなせずオートでシャッター押すだけ
これならスマホでいいやと思い、全然使ってないです…
もったいないな〜